二宮和也“大見得を切れる”演技派との共演「必然的に自分もうまくなる」

 人気グループ・嵐の #二宮和也 (37)が主演を務める映画『浅田家!』が、10月2日に公開を迎える。二宮が演じるのは、4人家族の次男坊として育ち、幼い頃から写真を撮ることが好きで、写真家になった浅田政志。“家族”も大きなテーマとなっている本作。二宮が感じた“家族”そして、自身の役に対する向き合い方に迫った。

 本作は、父、母、兄、自分の4人家族を被写体にユニークな家族写真を送り出している浅田氏の写真集『浅田家』と、東日本大震災で泥だらけになった写真を持ち主に返すボランティアに参加した浅田氏が、作業に励む人々を撮影した『アルバムのチカラ』の2冊の写真集が原案。

 物語は、4人家族の次男坊として育ち、幼い頃から写真を撮ることが好きで、写真家になった浅田政志(二宮)を主人公に、家族の「愛の絆」「過去と今」についてユーモアを交えながら“家族とは何か?”と深く問いかけている。政志の兄・幸宏を #妻夫木聡 、父・章を平田満、母・順子を風吹ジュンが演じる。メガホンをとったのは、『湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)などで知られる中野量太監督。

■中野監督が出演の決め手に 映画賞でのエピソードも

——政志の人間力を本作の魅力と語っていますが、プロデューサーも「いい加減な面もある政志を二宮さんなら魅力的にしてくれるだろう」と。妻夫木さんも二宮さんを「人たらし」と評されていました。

【二宮】僕はあまり人との間に壁を作らない人間だから、そういう風に見えるのかもしれませんね。あとはあまり若い人たちが大集合するような作品に出ていなくて、昔からわりと年齢が上の方がたくさん出られている作品に出演することが多かったので、上の方たちと接する方がよりそう見えるのかな(笑)。

自分より下の方と接するときは「あの人いい人だったよ」と言われたいから、気を使うんですよ(笑)。今回はブッキー(妻夫木)もそうだけど、平田満さん、風吹ジュンさん、あとは(黒木)華ちゃんもそうだし、安心できるというか落ち着くかたたちばかりでした。

——中野監督が出演の決め手になったということですが、映画賞でエピソードがあるそうですね。

【二宮】僕は最優秀主演女優賞の発表させていただく立場で、華ちゃんが『リップヴァンウィンクルの花嫁』でノミネートされていたんです。タイトルが難しいから(笑)この作品の読み方ばかりを練習していたんですよ。結果、最優秀主演女優賞は(宮沢)りえさんで、そのときの作品が中野監督の『湯を沸かすほどの熱い愛』だったんですが、僕は『リップヴァンウィンクル』に気を取られ過ぎていて、タイトルを言い間違えてしまったんです。確か『湯を沸かすほどの熱い“夏”』って言ってしまったのかな?

 言い間違えてしまったことが本当に申し訳なくて。その後すぐに中野監督にお手紙を書いて謝ったんです。そしたら監督から「全然大丈夫ですよ」とお返事をいただき「よかったら僕の映画に出てください」って言ってくださったんです。だから僕は今回、監督からのご指示通りやり切ろうというのを、最初から一貫して決めて臨んだんですよ(笑)。

 僕はこれまでずっと名前を言い間違えられてきた人生なんですよ。ジャニーさんにもずっと「(“かずなり”ではなく)かずや」って言われてきましたし。うちの事務所には #亀梨和也 もいますしね(笑)。だから人の名前だけは言い間違えないようにしようとずっと思って生きてきたのに……。本当にすみませんでしたという内容を監督の手紙に書きました。

それとは別に出演させていただきたいなと思ったのは、お話の内容的に(主人公が)ひとりだけが突出したものではなかったから。家族の話ではあるけど、人とのつながりだったり、皆で頑張っていくものだったりもしたので。皆でディスカッションして生まれていく作品というよりは、監督の撮りたいもの、撮りたい画が決まっていて、それにどこまで皆が近づけるかっていうことなのかなと思いました。

■ワンシーンのために岩手県野田村へ「作品への理解度が上がる」

——(被災地シーンのモデルとなった)岩手県野田村にも防波堤に座るワンシーンのためだけに行かれたとか。

【二宮】スケジュール的には強行でしたけどね(昼入りで夕方戻り)。野田村の町長さんが、映画の小野くん( #菅田将暉 )のモデルになった方のお父さんなんです。その方(小野のモデルになった人物)は野田村が地元で、帰郷して後を継ごうと思っていた矢先に3.11が起こって……ということだったらしいです。そこで浅田さんに出会ってという、本当に“縁”なんですよね。もちろんロケじゃなくても撮ろうと思えば撮れるんですが、それができたのはぜいたくなことだったと思います。

——そのワンシーンでも野田村に行ったことは、なにか二宮さんの中に影響はありましたか。

【二宮】お芝居にそのまま反映されることはあまりないんです。でもその場所に行くと、町長さんからお話を聞けたりする。それは単純に作品への理解度が上がりますよね。あとは(震災で)町や村を出ていかなきゃいけない方々がいらっしゃる中で、ここに留まれる幸せという話を聞くと「確かにそうだよな」と。それを声高に伝えるつもりはないですが、現地に行くとそういうお話がたくさん聞ける。そういう時間の使い方は、ロケに行くことの利点かなと思います。

■二宮和也にとっての“家族”のイメージ「必ず個性はあるもの」

——兄役の妻夫木さんとは今回が初共演で出演を決めた要因だったようですね。

【二宮】そうなんですけど……僕は彼のようにお芝居が上手な方に見つからないように生活をしてたんですけどね(笑)。上手な方と共演すると自分の粗が目立つので、あまり一緒にやりたくないっていうか、嫌だなって思っていました(笑)。

——実際に共演してみた感想は。

【二宮】この言い方が合っているか分からないですが、いい意味で楽ですよ。毎回言っているかもしれませんが、お芝居が上手な方っていうのは助かります。自分もうまくなっているように見えるし、僕自身もうまくなっていると思うんです。いつも僕が言っている持論が、100メートル走を自分の母親と一緒に走るのと、ボルト選手と走るのではタイムが違ってくると思うということ。

それと同じでお芝居が上手な方と一緒にやると、必然的に自分もうまくなるんじゃないかと。僕は自分が引っ張るのは苦手なので、まだお芝居の経験が少ない方と共演すると自分がそっちに寄っていってしまう。でも今回みたいにお芝居のレベルが高い方ばかりが周りにいらっしゃると、自分もうまくなった気がして大見栄を切れちゃうんですよね。

——平田さん、風吹さん、妻夫木さんとの4人のシーンは現場でも家族のような雰囲気が漂っていましたね。

【二宮】さまざまな経験をされてきた方たちだから、経験も豊富だし自然とたくさんお話ができましたね。僕が見抜けなかっただけかもしれませんが、今は集中したいから話しかけるな!」みたいな空気を出している人もいなかったと思います(笑)。4人のシーンでそんなに緊迫したシーンがなかったからかもしれないですけど(笑)。

——最後に「家族」という言葉から二宮さんはどのようなイメージをされますか。

【二宮】何よりも個性的なものだと思います。自分の家ではしていなかったけど、ほかの家族を見て驚いたっていう話はよくありますよね。家族の中ではそれが当たり前の価値観であっても、ほかの人と話しているとその価値観が異なったり、そもそもなかったりする。例えばお父さんにずっと髪の毛を切ってもらっているとか(笑)。本人としてはそれが普通だから、皆の前でしゃべってしまうと、とてつもなく驚かれたり(笑)。それくらい家族って、特別に強い個性の塊なのかなって気はします。

 僕も「友だちの家で食べさせてもらったご飯が今までで一番おいしかった!」と言ったら、すごく怒られたりしました(笑)。でもそれでいいのかなって。ゆくゆくは誰もが(家族を)作っていく世代になるわけですし、そこであらためて新しい価値観に出会ったり、自分が経験してきたことを伝えていくという発想になっていく。人によってはうちの家族は個性がないって悩んだりするかもしれませんが、自分では気づかないだけで、どんな家族にも必ず個性はあるものだと思います。

◆二宮和也(にのみや・かずなり) 1983年6月17日生まれ 東京都出身
演技に定評があり、TBS系ドラマ『山田太郎ものがたり』『流星の絆』、フジテレビ系ドラマ『拝啓、父上様』『フリーター、家を買う。』、映画では『プラチナデータ』や『GANTZ』シリーズなどさまざまな作品に出演。06年には映画『硫黄島からの手紙』( #クリント・イーストウッド 監督)でハリウッドデビュー。映画『母と暮せば』(15年)で「第39回日本アカデミー賞」最優秀主演男優賞を受賞。

#二宮和也 #共演 #家族 #嵐 #主演

二宮和也“大見得を切れる”演技派との共演「必然的に自分もうまくなる」