テレビだけじゃない、コロナ禍で窮地に陥るラジオが導入した“フジの成功例”

「テレビでの成功例がラジオにも波及した。2つの番組をどちらかに吸収合併して制作費を圧縮するという手法です」

 代理店関係者がそう指摘するのは、この春、文化放送が打ち出す大幅リニューアルに関してだ。

 先ごろ、元日本テレビ女性アナウンサーの上田まりえ(34)が、自身らがパーソナリティーをつとめる朝の情報番組『なな→きゅう』の終了を生報告した。

 2019年4月に始まり、わずか2年という短命番組(前番組も2年で終了していた)。

 『なな→きゅう』が消えた枠に、新番組は生まれない。

 同局出身の寺島尚正フリーアナウンサー(62)がパーソナリティーを務める朝ワイド『おはよう寺ちゃん 活動中』(午前5時〜7時。途中別番組はさむ)を、従来枠から4時間枠に拡大して埋めるという。

 昨年末に就任した斉藤清人社長が先ごろ、定例社長会見をオンラインで行い、「大いに期待している」と語った。

■コロナ禍でラジオも苦しい状況に

 思い出すのは昨年秋、フジテレビが実施したやり方だ。

 タレントの #坂上忍 (53)が司会を務める番組『バイキング』を『バイキングMORE』と拡大し、キャスターの #安藤優子 (62)が司会を務めていた後番組『直撃LIVEグッディ!』を飲み込んだ、あのうまい、番組改編手法である。

「新番組を立ち上げるためには、局内に立ち上げルームを設け、新たなスタッフを調達しプランを練らなきゃならない。放送前に金がかかる。吸収合併となるとその金がかからない。人件費も、半分とまではいかないが、かなり削れる。何よりメーンキャスターを1人にできることが大きい」

 とスポーツ紙放送担当記者。

 文化放送のケースは当初、上田の番組を3時間に拡大する案もあったというが、急転直下の終了……。

「寺島は文化放送出身で、今も同局のグループ企業に所属している。上田は個人事務所。どちらを選ぶかとなると、やっぱりそうかという感じですよ。グループ企業に金を落としたほうがいいですからね」(前出・スポーツ紙担当記者)

 コロナ禍で、テレビ局やラジオ局の収益も厳しい状況に追い込まれている。電通が自社ビルの売却を検討すると発表した“電通ショック”が、既存メディアに対する広告収入の厳しさも物語る。

「ラジオは本当に広告が入らない。あの人気講談師の神田白山の番組も、一時スポンサーがつかない時期があったくらいです。ラジオを聴いているとわかりますが、『各社の提供でお送りします』とアナウンスされるんですが、流れるCMは自社広告ばかり、という番組もありますからね」(前出・スポーツ紙放送担当記者)

 かくして2019年4月の改変の目玉番組だった『なな→きゅう』は姿を消す。寂しい。

〈取材・文/薮入うらら〉

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テレビだけじゃない、コロナ禍で窮地に陥るラジオが導入した“フジの成功例”