

4月9日に発表された「本屋大賞」にて、『フォ−ス・ウィング -第四騎竜団の戦姫-』(早川書房)が、「翻訳小説部門2025年」の1位に選ばれた。「翻訳小説部門」は今年で14回を数えるが、ヒューマンドラマやミステリー作品などが受賞する傾向にあった。ファンタジーに括られる作品もわずかにあるが、これらは現実世界の地続きにある物語だ。一方『フォ−ス・ウィング』は、竜の騎手たちが魔法の力で国防を担うナヴァール国というまったくの架空の世界を舞台にした、いわゆる「異世界もの」。本格的なファンタジーは、受賞しづらいと考えられてきた本屋大賞の受賞傾向という壁を、『フォース・ウィング』はいかにして破ったのか。版元の早川書房と同書を推した書店員たちに話を聞いた。