「見る人が変われば、全て変わってしまう」綾野剛、“真実の多面性”に挑んだ最新作で魅せた新境地

福田ますみのルポルタージュ『でっちあげ 福岡「殺人教師」事件の真相』を原作に、三池崇史監督が映画化した『でっちあげ 〜殺人教師と呼ばれた男』。2003年、小学校教諭・薮下誠一(綾野剛)が児童・氷室拓翔(三浦綺羅)への体罰で保護者・氷室律子(柴咲コウ)から告発され、週刊春報の記者・鳴海三千彦(亀梨和也)による実名報道により「史上最悪の殺人教師」というレッテルを貼られた事件を描く。誹謗中傷や停職処分に追い込まれながらも、法廷で薮下が口にしたのは「すべて事実無根のでっちあげ」という完全否認だった。極めて複雑で多面的な人間の真実を描いた本作で、主演を務めた綾野剛は従来とは異なる表現論に挑んでいる。台本を読んだ瞬間の感想を「ただただワクワクした」と振り返る綾野。それは年齢もキャリアも違う、積み上げてきた作品も違う共演者たちとの「異種格闘技戦のような」体験への期待からだった。

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