80年代以降の音楽の構造を変革したクラウト・ロックの鬼才ホルガー・シューカイの傑作『ムーヴィーズ』

あれはインドネシアを旅している時のこと、民宿のような宿(ロスメンという呼び名だったか)に泊まっていた朝、村のどこかに設置された拡声器から大音量で流されるイスラム教の経典コーランで叩き起こされた。しばらく寝床の上で放心状態でコーランを聴きながら、この群島国家がヒンズー教のバリ島以外はイスラム教を信仰することを改めて実感したのだが、それとは別に脳内に音楽が流れ始めた。それがホルガー・シューカイの「ペルシアン・ラヴ(原題:Persian Love)」だった。ふと思い出したそんな記憶から、今回は同曲を含んだ彼の2ndソロ『ムーヴィーズ(原題:Movies)』(‘79)を紹介したいと思う。

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